Omizu

大いなる西部のOmizuのレビュー・感想・評価

大いなる西部(1958年製作の映画)
3.8
【1958年キネマ旬報外国映画ベストテン 第1位】
グレゴリー・ペック主演の西部劇。アカデミー賞では助演男優賞と音楽賞にノミネートされ、敵の大地主ヘネシーを演じたバール・アイヴスが助演男優賞を受賞した。

画面サイズが合わないのか少し横に潰れてしまっているのが残念ではあったが、スケール感たっぷりのカラー撮影は見ごたえがあった。

またチャールストン・ヘストン以上に存在感があるのがヘネシーの息子でジュリーに一方的に想いを寄せるバック、演じているのはチャック・コナーズという俳優らしく、プロ野球選手から転身したという異色の経歴の持ち主らしい。

ウィリアム・ワイラーは西部劇の十八番とも言える展開を盛り込みつつ、「東部から来た海の男が西部を変えていく」という変則的な展開を軸に据えている。

もちろん西部劇ファンには嬉しい作品であると思うが、アンチ西部劇とも言えるある意味革新的な作品なのではないだろうか。

ジーン・シモンズ演じるジュリーが学のある賢い女性で、彼女とジムの間で友情関係が生まれてくるというのも今日的なのではないだろうか。

ジュリーとジムが恋愛関係にも見えるが、あれは友情関係と見たほうがいいような気がする。
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