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眠らない街 新宿鮫のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

眠らない街 新宿鮫(1993年製作の映画)
4.5
“鮫”の仇名を持ち、暴力団からも警察内部からも恐れられている新宿署防犯課の警部・鮫島(真田広之)は、改造銃のスペシャリスト木津要(奥田瑛二)を単独で追っていた。折しも、木津が作った銃によって警官二人が殺され、特捜部が開設される。警視庁からやって来た公安一課の香田警視(今井雅之)と鮫島は因縁の仲で、互いに敵視しあっていた。四面楚歌の状況の中で鮫島の心を唯一癒してくれたのはロックバンド“フーズ・ハニイ”のボーカル・晶(田中美奈子)だった。ある日、鮫島はとうとう木津の居所を探しあてる。そして彼の仕事場も突き止め、踏み込むが、逆に木津に捕まってしまう。『おまえとたっぷり楽しんで、それから殺す』――その時、絶体絶命の鮫島を助け木津を射殺したのは、桃井課長(室田日出男)だった。木津の最後の発言から、改造銃は彼の恋人カズオの手に渡り、またそこから砂上(浅野忠信)という青年に渡ったことが判明する。砂上は以前サミット開催による厳重警戒で警官が多数出動しているにもかかわらず、歌舞伎町でヤクザにリンチされたことを恨んでいたのだ。今度は遂にその三人のヤクザが射ち殺された。特捜部は砂上がアイドル歌手・松樹由利のコンサート会場で心中するものと考え会場のシアターアプルに向かうが、鮫島はただ一人、彼が晶のバンドのファンであることを突きとめ、ライブハウスへと向かう。まさに砂上が晶とともに心中しようとした時、鮫島は彼を倒し、晶を助けるのだった。
大沢在昌の大ヒット刑事小説「新宿鮫」シリーズ第1作の映画版。
信念の強さがあるけど脆さを抱えた鮫島を演じた真田広之のはまり具合の良さ、サディストでゲイの拳銃密造屋木津を演じた奥田瑛二の爬虫類のような無気味さ、ある理由で警察内部で孤軍奮闘する鮫島を支える上司の桃井(木津に囚われ拷問された鮫島を桃井が単独行動で救うシーンのかっこよさ)や鑑識の藪との信念を共有する者同士の強い信頼関係、鮫島と晶の刑事とロックシンガーという立場を越えたポリシーの強い者同士の絆(木津に拷問され傷ついた鮫島を晶が癒すシーンなどの安心感と信頼関係がステキ)、木津のアジトを特定するために鮫島が粘り強く尾行するシーンなどのサスペンス、刑事としての鮫島の信念と晶への気持ちが凝縮されたクライマックスのライブハウスで晶と無理心中しようとする犯人と鮫島が対決するシーンのかっこよさ、傑作サスペンスアクション映画です。出来ればこのメンバーでシリーズ化して欲しかったです。
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