冬の亡霊

HOUSE ハウスの冬の亡霊のネタバレレビュー・内容・結末

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

いまやカルト映画として認識されているであろう今作は、マイルドなスプラッタもある怪奇ファンタジーって感じでホラー映画って呼んで良いか悩む程度にはコメディータッチでポップに明るく進んでいくが、個人的には友達がいなくなってもどこ行っちゃったんだろうって思うだけで大して探しもしない焦りの無さの方がホラーだった。

合成とセットを多用した書き割り感は多少の違和感こそあれ独特の雰囲気として仕上がっている。ニセ東京駅とか。映像効果がやたら多いナンセンスさや唐突に差し込まれるコラージュ等を始めとして、70年代の邦画にしてはVFX(特撮)が実験的に多用されているが、やや詰め込み過ぎて忙しい感じがあり、切り出した時の瞬間瞬間の良さはあるが、連続で観ていると少し疲れるかもしれない。映像はまだ許せたが、時代の所為で片付けられないレベルでBGMの編集にはセンスが感じられなかった。音楽の質が悪いわけではなく、シーンに合ってなかったり環境音に重なっててうるさい感じがしてしまった。
クンフーが戦う時に流れるテーマは疾走感があって良かった。

それにしてもあだ名の適当さすごいwww昭和的キャラ付けのカオスぶり…は現代でも似たような事やってるし大差ないか。
セリフ回しに時代を感じる。結局何の合宿だったんだろうと思ってたら演劇部らしい。だから喋り方が変な奴がいるのか。

出演者が殆ど若い女の子だけで、全員が美少女というわけではないが、可愛いと思える娘もいた。7人中6人は新人だったらしいが、ある意味アイドル映画なんだろうか。オシャレとファンタ、スウィートとクンフーの百合っぽさ。いきなりおっぱい出たりするけど下品ではなく綺麗な撮られ方をしている。

あとは雑感。
おばちゃまの過去を回想するシーンの謎オーディオコメンタリー状態。
ピアノに食われるのめっちゃ面白い。そこはもっとホラーにしても良かったけど。
ラスト20分くらいから家が本気出してきた。クンフー強すぎて笑う。足だけになっても戦うの格好良くてサイコーだな。
全然家と関係ない所で先生がバナナになってるの何だったんだろう。
あと元凶だけど猫はかわいい。

個人的には、ここまで悪ノリで持っていこうとするなら、最後の最後で愛とか説かずに締めた方が良かったんじゃないかなあと思う。