Gong

ガープの世界のGongのネタバレレビュー・内容・結末

ガープの世界(1982年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

16.05.07
性欲・欲望、生死、愛、女性観......色んな要素が詰まった137分で、なんだか一言で言えない感じ。
もう冒頭から、"夫は要らないけど子供は欲しいから、常に勃起していて寝たきりの兵士の上に夜中股がりました"っていう母親ジェニーに驚く。

性欲というもの自体を毛嫌いする母親ジェニーをはじめ、男に強姦された時に舌を切られた少女エレン、強姦に反対し自ら舌を切り女性運動をする女、性転換した元ラグビー選手の大男、ジェニーの本に共感を抱く女達。自分の性に何らかのコンプレックスを持つ人間が多く登場する。

ガープは父親のいない家庭で育ち、幼少期は犬に噛まれたり屋根から危うく落ちそうになる事件を起こし、
子供が2人の時妻が不倫をし、それに怒っていた時の運転で家族で事故に遭い、次男を亡くしたり、
母親は演説中銃殺され、自分も家が近所だったプーに銃殺される。波乱万丈な人生を歩んでいる。
それでも彼は死ぬ前のヘリコプターの中で満足気な笑みを浮かべ、今僕は空を飛んでいる、と言う。
出来事を箇条書きにしていくと、幸運とは言い難い人生を歩んだガープだったが、彼はそうは思っていないようだった。きっとそれ以上に、沢山の愛で溢れていたからなのかもしれない。

映画に行くとベビーシッターに子供達を預け、映画館にはいかず、子供達の様子を車から妻と観て、「過去の人生が一つの弧を描いて、出来事が次の出来事に繋がっている。人生は冒険だ」と語るシーンも印象的だ。
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