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ウェンディ&ルーシーのleylaのレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
4.5
少女と犬のロードムービーだと思って気楽に借りたら、思ったのと違い、その場から動くことができない閉塞感のあるロードムービーでした。

職を求めてアラスカに向かうウェンディは、途中の町で車が故障し、立ち往生をくらう。お金もなく、寝る場所もない。愛犬のルーシーまでいなくなってしまう。

もはやホームレスのような暮らしの中、愛犬のルーシーを探す日々。唯一、警備員のオジサンが親切にしてくれるのが救いだった。

主人公もお金がないが、頼ろうとしたお姉さん夫婦もお金がない。最後にオジサンが好意でくれたお金もわずか数ドル。オジサンの暮らしもラクではないのだ。この町自体も貧困であることが、会話のはしばしで伝わってくる。貧困であることの道なき道なのだなぁ。切ない。

漂う閉塞感。まったく笑わないウェンディが1度だけ笑顔を見せたのは、探していたルーシーと再会した時だけだった。

主演は「マリリン7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ。ずっと10代後半だと思って観ていたら、当時27歳とのこと。ノーメイクでお風呂に入らず演技していたそう。本当のウェンディにしか見えなかった。

日本未公開でわずか80分ほどの淡々とした小品だけど、ムダのない脚本とリアルな演出でとても引き込まれた。
この監督、すごい。
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