ウェンディ&ルーシーの作品情報・感想・評価

「ウェンディ&ルーシー」に投稿された感想・評価

kanekone

kanekoneの感想・評価

3.8
手助けしてくれる人もいるものの、ウェンディに起こる出来事の数々はかなりドライにシビア。彼女が最後に下した決断は現時点でベストなものなのだろう。アラスカで仕事見つかるといいな。
kou

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4.5
ケリー・ライカートの描く映画は、例えば男女の逃避行、古い友人との旅、犬との長い旅であるのだが、それらは輝きが描かれる事なく、それに伴う世界の厳しさ、理想と現実の差にさらされる。本作もまさにそういう映画だった。

新しい場所を求め、アラスカへ向かうウェンディと犬のルーシー。しかし金が無く、車も故障してしまう。食べるものがなく万引きをしたウェンディは警察に連行され、ルーシーもいなくなってしまう。ウェンディのさらされる現実は、畳み掛けるように悲惨だ。周りにいる人たちは真っ当に彼女を追い詰めていく。

当時のアメリカの装飾しない現実であり、追い詰められ、助けを求めることもできずにひたすら落ちていく様を描く。ホームレスになり、そこで出会う男の放つ言葉は怨みに満ちて恐ろしい。

誰もが自分の生活に必死で振り返ることもできず、他人の事を気にする余裕もない。その社会でウェンディの下す決断。その苦味と、繰り返される鼻唄にただただ打ちのめされるしかないのだ。
risagcp

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4.0
イメージフォーラム、21時からなら残業でも間に合うっ!と駆けつけたのに疲れすぎていて着席と共に眠り目が覚めたらエンドロールだった『ウェンディ&ルーシー』普段こんなことしません。なので久々にシネマリンまで赴きリベンジ。無事特集4作全て観ることができた。彼女の作品は目的地はあるのに腑抜けた魂が悪いことぜんぶ吸い寄せてしまってそれに抗えずぐるぐる徘徊し続ける自分みたいでぎゅっと大切にしたくなる。
瑞々しいミシェルウィリアムズ演じるウェンディは、常に不安げで人間でももちろん犬でもない自然界のシステムから弾き出された幽霊みたいに映る。みんな当たり前の顔をして当たり前のルールをつきつけて、保健所のお姉さんだってインフォメーションのみの警備員だって不親切でない程度に冷たい。(警備員はちょっと違う存在になる)それがとことんリアルでくるしい。暗闇に溶けたとて素手おじさんと「俺たち」になれるわけがないし、愛嬌があって賢くてやさしい人に拾われるルーシーのほうが立派に存在価値があるみたいだ。ウェンディ、ちゃんとアラスカに着けるかな、ルーシーを連れ戻せるかな。映画を見終わったわたしは、汽笛の音すらみつからない気分で、とりあえず、とりあえず、と知らない街のマクドナルドにはいるしかなかった。しょっぱいポテト。歩くのは好きなのにどこにも辿りつかない人生よ。というか、そもそもわたしには肝心の目的地すらなかったのだと気づいた。ここではない何処かを目指す必要がないことが幸福とは限らない。システムから抜け出したくなる度ふぬけた魂が甦って誰かが手招きしているようで怖くなる。
湯

湯の感想・評価

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木村和平さんが「新しい窓」の後書きで、「ごく個人的な出来事や経験を出発点として作られたものなのに、それが届いた時には不思議と受け取り手が自分ごととして重ねて感じられるような、映画や服や音楽に感銘を受けてきた。僕はそれを写真でやりたい。」(記憶で意訳)
と言っていて、それを思い出した。

ずっと不毛だった。移動中、という言葉とは裏腹に人生が停まっていて、ウェンディ笑えるくらいひとりぼっちすぎてなんかでもそれを見ながらああ一緒だって思った。
ひとりぼっちで、自分が持ってる物の中で本当に大切なものは何個かしかなくて、その前だけで鼻歌を歌って心から安心して過ごして、その何個かだけを頑張って大切にしようとしてて、それもままならなくて信じられないくらい悪いことが立て続けに起こって、どうにか戦って、誰かを頼ろうとして、だめで、でもまた新しい人に出会って助けてもらってありがとうって言って、失って再会して決断して3歩進んで2歩下がりながら生きてくってまじウェンディ一緒ですやん!私と!てかみんな人生ってそんなもんでしょ!って思った。

Luuucyyyy!Loooo!の声が頭にのこって離れない。世界はただものと人間が集まってできてるだけで、詩は誰かがその中のどこかを見つめるって事で、映画はそれを言葉じゃなくてカメラで切り取る。電車がゆっくりいく。コンテナや空、地面の色。それだけでイナフ、とおもう。車輪と土、鼻歌、公衆トイレの歯磨き、エンジンの中、とか。
yu

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良い未来が待っていますように!

ロードムービー普段あまり観ないけれどたまにみるとすごくいいわぁ
はい

はいの感想・評価

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ケリーライカート上映をはしご。絶対オールドジョイを後にした方が良かった笑
彼女とルーシーに幸あれ。
犬

犬の感想・評価

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住居も職も無いわ、車は故障するわ、万引きで捕まるわ、犬が行方不明になるわ、700人を素手で殺した不審者に遭うわ、、こうやって文字に起こすと踏んだり蹴ったりなウェンディだが不幸を招いてる原因は全て己にあるのだから仕方ない。そんな中でも警備員のおじさんや保健所のお姉さん、犬を保護してくれてた爺さん?など世の中捨てたもんじゃないと思わせてくれる人間は少なからずいる。その先が不安でしかないが、ウェンディが取った行動は愛犬ルーシーの為を思ったことであり必ず戻ってくることを信じたい。
7子

7子の感想・評価

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ハルハートリー的なものを期待しちゃってたけどちょっと違った(近年のはA24製作なのね)。オープニング、青空と電線に並ぶ鳩、焚火、店員の視線、警備員のパートナーの視線、保健所の犬たち、車椅子の人、足首に巻いてある包帯、口までブランケット被って暗闇で一切瞬きできない目、しゃがみ込む姿、歩く姿、柵、列車の警笛の和音、いろんなディテール・瞬間瞬間がかなり印象的だった。住所・連絡先がないと働けない⇄働かないと金がない って社会の矛盾、何回聞いても頭追いつかない。
踏んだり蹴ったりやることなすことうまくいかない上に最愛の相棒まで…
そんな主人公がとても愛おしく感じた
こういう映画は大好物
女性が一人で生きる困難さとかそこまで考えは及ばなかった
どちらかというと滑稽さやおかしみをずっと感じていた
当事者じゃないから言えることなんだろうけどね
ロードムービー然とした時間の流れが犬の消失によって「停滞」し憂いに憂うミシェル・ウィリアムズ。その横方向の歩みと縦方向の車の往来が高低差を抱えつつ交錯するところの後ろにはきっと『パリ、テキサス』が隠れている。それぞれの仕事、それぞれの生活水準のうえに成り立つ「共通のおきて」が産み落としつづけるあられもない殺伐さのことを思うと、あの老警備員の存在こそがこの作品における唯一の癒しだったと気づく。一ヶ所にピン止めされていた時間がふたたびロードムービーの秩序にのっとって動き出すさまが、映画的なカタルシスに充ちていて、切実だった。
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