ンケダソ

パリ、テキサスのンケダソのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.9
柄に無いのは重々承知した上で少しばかり真面目にお話を。今回限りですので。

映画というものは、極端に雑に大雑把に分類すれば“愛”をテーマ、主題にした作品に石を投げれば当たると感じています。またここで云う“愛”というのも対象が家族であったり異性、同性、自己、他者など多様なもので。
洋画はこの傾向が殊更強いとも思いまして。個人的に感じているこの傾向もあいまってか、欧米圏の人達は言葉にして態度にしてこの欲を積極的に求める力が強いと感じています。平たく言えば自分の欲に素直で。
一方、強めの主観というかなり強めのバイアスがかかるけれども、我々東洋人はこうした欲をタブー視しているというか、言葉に行動にしない事を美学とし恥じらいとしている節があるように感じています。

ただ、こうした欲求というものは人間誰しもが元来得たい欲求のはずで、分かりやすく求める人とそうでなく控えめに求める人がいるわけで。
という事を考えると、自分が持っている恥じらいとか周囲の冷笑の目が本当に無駄で勿体無く感じていて。でも自分1人の意識がけだけでは割とどうにもならない事に近いのがもどかしい。という事を考えられた一本でした。

ストーリ的な感想としては、元鞘に戻るという選択肢もあったであろうに、自分は姿を見せず息子だけ再会させた所にグッと来ました。やはりそういうものなのですかね。潔くあるべきなのですかね。
ンケダソ

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