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パリ、テキサスのjettのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

何度観てもいい
ヴィム・ヴェンダース監督が贈る、失った家族を取り戻そうと生きる男の辛く切ないロードムービーの傑作

午前十時の映画祭14で鑑賞

本作、作品のクオリティの高さもさることながら、ナスターシャ・キンスキーさんがメチャクチャ綺麗で大好きな作品です

ストーリー展開も作品の持つ空気感も好きで、何度観てもいいなと思える作品
特に今回は自宅のDVDではなく、劇場&4Kリマスターという環境で観られて感動ひとしおでした

家族を一度は捨て、しまいには家庭を崩壊させた男が愛する妻とその間にできた息子との関係を取り戻そうと旅をするロード・ムービー

約40年前の作品ですが、あらためて観るといろんな所に現代のヴィム・ヴェンダース監督色が出ていて、この時からなんだ、ととても興味深く観ました
例えば、主人公トラビスを演じるハリー・ディーン・スタントンさんが終始 時折よく観ていないとわからないぐらいのレベルで微笑みます、何に対してかは不明ですが、まるで「パーフェクトデイズ」で役所広司さんが演じた主人公平山の様でした、という具合です

中盤、トラビスが息子ハンターの下校時間に学校まで迎えに行きますが、自分を捨てた父親を直ぐには受け入れられず無視して友達と帰ってしまうけど、時間を重ね徐々に受け入れ最後は一緒に帰るようになるくだりがとてもハートウォーミングで好きなパートです

そしてラスト、トラビスがナスターシャ・キンスキーさん演じるジェーンにマジックミラー越しに心中を吐露するシーンは何度観ても最高の緊張感と感動に震える名シーン
永遠に交わることのできない男女を相手が見えないミラーで表した表現も見事

ホントに映画っていいなと思わせてくれる良作です
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