わにたつまき

パリ、テキサスのわにたつまきのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


トラビスって名前の男は一癖あるんですね。

荒野を彷徨う男と家族の再生の話。

食わず嫌いだったヴェンダース作品を初めて鑑賞。

テキサスの荒野を歩くトラビスのビジュアルがヤバい、ネクタイを締めてジャケットを着て汚い髭面で赤いキャップを被っている。どうにも荒野に似つかわしくない服装でひたすら彷徨い続けるトラビスの姿にこの作品が普通の作品じゃないことがすぐに解る。
トラビスは記憶喪失で、どうやら数年前から行方知れず、行方不明になる前は若い妻と子供がいたようだが、弟と再会し、息子と再会し、今は行方がわからない若い妻を探すといった感じで物語は進む。

妻との再会は素敵で、のぞき部屋で働いている妻とマジックミラー越しに再会する。自分はトラビスだと明かさずにマジックミラー越しに会話を交わす。

トラビスと家族の過去と、夫婦の思いが明らかになり、トラビスと妻の想いも明らかになる。最後にトラビスはある選択をする。

妻と子が再会するシーンはめっちゃくちゃ美しい。

トラビスも弟も弟の妻もトラビスの息子もトラビスの妻も皆優しい。

ライ・クーダーの渇いたギターがカッコ良い。

そこはかとなく優しい僕的には最高のロードムービー。

ヴェンダースすげぇな。
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