やま

パリ、テキサスのやまのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.3
実に丁寧に愛を描いたそんな作品であったように思える。
この作品にあるのは、男女の愛、ワケありの息子への愛、兄弟愛、血の繋がりのない親子愛。それらの愛を充分に感じれる。

この作品ずいぶん前に映画館で見て以来の鑑賞。その時に良いシーンだと感じた部分は、よく覚えていたが、他があまり思い出せなかった。
やはり印象的な、過去の彼女への想いをマジックミラー越しに語るあのシーンは、誰が見ても素敵だと思うはず。名場面と言うべきシーンだなと。
目の前にいるのに、お互いの顔が同時に見えない。彼が目の前にいるのに、彼女が目の前にいるのに。

子供との親子愛が深まっていくシーンも良かった。金持ちらしく上を向いて歩く。それを子供も真似する。素敵だなぁ。

後、ロングショットにより映し出される背景が美しい。
こういう点がロードムービーで、評価されるところなんだろうなと。

ただ4年って本当にそんな、長く感じるようなものなのだろうか。子供にとって4年が長いのは分かるが、大人たちまで大昔のように振舞ってるのが、違和感感じた。
あと、ハンターを4年間育てた夫婦とハンターの関係もこれからどうなるのか消化不良。でもハンターはもどったんだろうな。

ラストの雰囲気。彼の表情は、終始素晴らしかった。
音楽、映像どちらも良かった。
やま

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