ナスターシャキンスキーのニット姿を見た時即座に思い出したのが荒木陽子さんのエッセイ愛情生活の一文。「柔らかなモヘアのセーターをフワリと脱いだ時、下が薄いブラジャーだったり、或いは全く下着をつけていなかったりするのがあるが、あれは魅惑的である。見ているだけで、体臭と混ざりあった香水の香りが、こちらにも伝わってきそうだ。薄着が好きな女は体温がやや高めであって、そういうほてった肌につけられた香水
は、盛んに気化して、衣服と肌の間に香りのドームを作り出し、体を動かす度に、それらが袖口や肩からこぼれ出て、誰よりもまず自分自身がうっとりと酔ってしまうのだ。」