Jimmy

自殺への契約書のJimmyのレビュー・感想・評価

自殺への契約書(1958年製作の映画)
3.8
限られたメンバーの中から殺人犯を突き止めようとするサスペンス映画。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督作品。(2016年リストア版)

冒頭、夜道を車が走ってある邸宅に到着すると旧友たちの集いとなる。女性が1人、男性が9人で和やかな雰囲気。彼らは15年ぶりの集いで、戦争中、ドイツを相手に抵抗運動した仲間たち。終戦間際のある日、運動リーダーだったカスティーユなる男が殺されたのだった。ドイツ軍が踏み込んだ時に殺されたらしい。
…というシチュエーションで、「殺されたカスティーユをドイツ軍に売った密告者がいたのではないか?」という話になる。そして、お互いの探り合いが始まるのだが、「密告者=同志の殺人犯なので、自殺してもらおう」という展開になる。
もし自分が犯人とされたら自殺しなければならないので、皆が懸命に自己防衛を始める。
この「誰か一人は、ここから生きて帰れない」という状況がとてもスリリング。
なかなか見応えのあるサスペンス映画だった。

登場する女性は、『たそがれの女心』などのマックス・オフュルス監督作品などで美貌のダニエル・ダリュー。本作でも眼を引く綺麗さ。
その他、有名な俳優ではリノ・ヴァンチュラが元レスラーだった男として出演している。

「横領犯で、裏切り者で、殺人犯」が判ってからも、思いがけない展開に唖然とさせられる面白さ。

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の手腕が冴えた密室サスペンス映画だった。
Jimmy

Jimmy