mitakosama

座頭市あばれ凧のmitakosamaのレビュー・感想・評価

座頭市あばれ凧(1964年製作の映画)
3.3
勝新座頭市7作目。
舞台は甲州。今の山梨県で津向(つむぎ)の文吉と竹居の安五郎とのイザコザに巻き込まれる市の活躍が描かれる。この文吉と安五郎ってのも実際にいた俠客らしい。知らなんだ。
安五郎には吃音賞がありドモ安と呼ばれていたとのこと。劇中でも遠藤辰雄が吃って喋っている。割と史実に忠実だったんだな。

冒頭、血気盛んな文吉の息子が功名を上げようと市を銃撃。だが妹が助けた縁で皮肉にも文吉の所で世話になる。
宿場町で花火大会を仕切る文吉だが、ドモ安がアレコレ言いがかりをつけ縄張りを奪おうとする。

ドモ安が息子を監禁しても市が助け出しちゃう。市が邪魔なドモ安は凶状持ちの座頭市が居ると代官所の名を出し追い出しに成功。市の留守に文吉一味を惨殺。

怒りに燃える市はドモ安の所に単身殴り込み、花火の鳴る中全員メッタ斬り。
華やかな花火の音と光に対し、盲目の市のサディスティックな剣術が恐ろしい。
蝋燭の火を全部消し、真っ暗の中なら自分の独壇場だとほくそ笑む様は、まるでドントブリーズだ。

にしても、終わり方が唐突すぎないか?ドモ安をたたッ斬って「完」って…。
全て終わって残された文吉の家族に対し別れの挨拶をして旅立つとか、そういうシーンは無いのね(笑)
mitakosama

mitakosama