座頭市あばれ凧の作品情報・感想・評価

座頭市あばれ凧1964年製作の映画)

製作国:

上映時間:82分

ジャンル:

3.9

「座頭市あばれ凧」に投稿された感想・評価

チェケ

チェケの感想・評価

4.0
久々に座頭市の怪奇趣味な画作りが見られた。めくらの市、つんぼの左卜全の絡むシーンは昭和ならではの笑いどころ。市が口いっぱいにご飯を頬張ってモゴモゴするシーンは非常にかわいい。予告編の「空は火祭 下は血祭」が秀逸。
Catman

Catmanの感想・評価

5.0
1964年公開、シリーズ7作目。初期にあった好敵手に相対するヒリヒリする様な緊張感は薄れ大仰なチャンバラ感が増していますが、観客を楽しませる要素が満載。いやぁホントに楽しい。勝新自身も絶好調の様に見えます。
池広一夫監督の演出が冴えていて映像的にも眼を見張るものが多い。多彩な殺陣のシーンのみならず座頭市らしいユーモラスなシーンも多く、大いに笑わせてくれます。つんぼの花火職人・左ト全とめくらの座頭市を絡ませるのもエグくて吹いてしまう。共演者のMVPは悪玉のども安(どもり)を演じる遠藤太津朗で、芝居も見た目にも実に良い味を出してます。分かりやすい脚本、オーケストレーションによる音楽もイイ。イチがダークヒーローである事をハッキリ印象付けるラストも見事です。ブラボー
シリーズ七作目。恩人のために殺人者となる市をB級ホラーテイストで魅せるクライマックスが圧巻。花火大会というシチュエーションセンスも抜群。しかしさすがに水中での斬り合いには違和感があるし、めくらという設定にも無理が出ているように思えた。
冒頭、転た寝をする市が五月蝿く飛び回る羽虫を居合いで斬り落とし、「ざまあみやがれ」と一言。次の瞬間、墨字で書きなぐったタイトルクレジットが映し出される。この軽口を言う軽妙さと、気に食わないものを平然と斬り殺す気性の荒々しさが、本作のコミカルかつバイオレントな方向性を示していた。
今回の話しは、川を挟んでいがみ合っているふたつのヤクザ一家があって、座頭市が二者の縄張り争いに巻き込まれるというもの。市がお世話になる方のヤクザ一家は穏健派で、川の渡し賃を安くしたり、町民を楽しませるために花火大会をやったりと、なかなか話せるホワイトヤクザである。一方で、川向こうの敵対する組はというと、彼等は汚職役人と結び付くことで勢力を強くした組織で、どうにかして町のすべての利権を独り占めしようと暗躍しているのだ。良い親分の放蕩息子が敵対する組に因縁をつけられ事態を悪化させてしまうのだが、市の助力で一度は危機を回避する。しかし、向こう側がもはや形振り構わぬと蛮行に及び、勢力の均衡が一気に崩れ多大な被害者が出てしまう。そして世話になった人の仇を討つため無頼漢座頭市が立ち上がるのだ。
まず、両親分の顔がいい。良い親分は良いヤクザの顔をしているし、悪い親分は悪いヤクザの顔をしている。台詞を発せずとも「厳ついけど好人物」と「厳つくて悪い奴」というキャラクターの性質について説明不要な風貌だ。組の若い衆の衣装も工夫されていて、健全運営の組は落ち着いた色の着物で、オラついている組の構成員は濃い色や柄物を着ている奴等が多い。視覚的な対立の強調というオーソドックスな映像表現だが、これがなかなか娯楽映画が上手くモノにしており、そこから学ぶことが多かったりする。
序盤には、メクラをバカにした奴等に対して座頭市が順当な嫌がらせをしていく様子や、子供の忠告を無視して落とし穴に落ちるコミカルなシーン等があり明るいのだが、後半では、嫌にドロドロした陰険な空気感の暗い血みどろの戦いとなり、話のトーンがガラリと変わる。今回は用心棒の浪人たちに魅力がなく、ヤクザたちも殺すしかない外道な奴等なので、一作目から続いてきた「斬りたくはない人、何も斬ることはない人を、こちらの道理を通すために斬らなければならなくなる」という大きなプロットがここらで薄まり、「地獄に落ちても文句は言えない悪党を叩き斬る」と言うハッキリした勧善懲悪ものになっているようだ。
今作は、特に殺陣のアクションシーンが工夫されており、中盤での川に肩まで浸かった状態で潜水して斬りあったりと、目開きの死角を攻める戦法が印象的。何より見物なのは、クライマックスで市がヤクザの屋敷に一人で乗り込む場面だろう。「暗くなりゃあこっちのもんだ。みんなメクラにしてやるぞ」と影を作り出し、見方につけた暗闇のなかを移動しながら突如胴回りに仕込み杖の一閃を加えるステルスアクション。逆手に持った長ドスのハラに蝋燭の火を乗せた座頭市が、物音をたよりに迫ってくる様子はまさにドントブリーズ!さらには、狭い路地のような場所で敵に取り囲まれながら横に移動をする場面を頭上からとらえ、川向こうで打ち上げられはじめた夜に咲く花火の彩りが、今まさに戮殺が行われている暗闇をカラフルに照らし出す様子を他人事のように見下ろすのだ。
すべてを斬り終えてなおも轟く花火の音。しかし、メクラがその空を見上げようととも、その光が盲いた眼に届くことはないと市は知っている。この場面が非常に美しい。
マツダ

マツダの感想・評価

5.0
水中で敵を斬る市は完全にジョーズ、BGMも雰囲気を醸し出してた
ラストバトルはホラー仕様
シズヲ

シズヲの感想・評価

3.9
「千両首」と同じく、池広監督は座頭市の居合いの見せ方を工夫しようとしているのが好き。まさかの水中戦や暗闇での殺陣など、インパクト抜群の立ち回りが多々見受けられるのはやはり面白い。やりすぎてて「見えてるんじゃないの?」って部分もあったけど、そこは愛嬌。登場人物も耳の遠い花火師に吃音症のやくざなど絶妙に悪趣味で印象に残る。コミカルなシーンも少なくないので、純粋に娯楽作として楽しめる。
ホラーじみた市のアクション演出が、前半の明朗さとは対照的で良い。真の闇での大立回り、市の顔を赤く染める花火が特にグッド。
でも水中戦のサメ映画みたいな演出には吹き出した。
前作で感じたネタが尽きた感を一気にテコ入れした感じ。話しをいじるのではなく演出がクラシックの怪奇映画の様!音楽もモロにそれ!題字も今迄以上の殴り書き感!ラストの殺陣をハイアングル長回しで撮ってたり工夫が随所に光る一品でした。
くずみ

くずみの感想・評価

3.5
コミカルな味付けの第7作。視覚と聴覚を意識した立ち回りがバリエーション豊か。剣の腕だけでなく、自分に有利な状況に持ち込むことにも市は長けているのだと気付かされる。
市が花火を楽しみにしていたり、恩を返すつもりが仇になってしまったりするのが切ない。久保菜穂子色っぽい。
この作品では、目玉アクションとして「水中で戦う座頭市」が観られる。
市の姿は見えないのに、一人また一人と水中に沈み血の海になるジョーズ座頭市。
全滅させた後に水面を杖でピチャピチャ叩いて、ソナーの様に生き残りを探す仕草が面白い。
ぶった切った蝋燭で刀提灯を作って恐怖を煽り、真上のアングルから敵を斬りまくる市はとてもクール。
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