らもちー

キサラギのらもちーのネタバレレビュー・内容・結末

キサラギ(2007年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

おもしろかった。正体のわからない5人の男が疑心暗鬼になりながら犯人を見つけようとする会話劇は、全員スーツ姿であることも相まってレザボア・ドッグスを思い出させた。私は小栗旬が最後の最後で犯人でした〜となることを期待していたのだけど違った。結局最後まで如月の死因は推論の域を出ないというストーリーがアイドルというあくまで虚像の職業であることとマッチしていてよかった。あとフラグとフラグの回収がテンポよくぽんぽんあって楽しかった。


如月ミキというアイドル愛好家の掲示板で知り合った5人の男は彼女の一周忌にみんなで彼女を偲ぼうとオフ会を開いた。彼女は1年前に焼身自殺していた。


個性豊かな5人が揃い如月の話で盛り上がる中一人の男が如月ミキの死因は自殺ではないと言い出し場の空気が変わる。他殺を疑うその男はそれらしい言い分でまず一人の男を犯人として追い詰めるが彼にはアリバイがあり犯人ではないとされる。そうして議論を進めていく中でその場にいたそれぞれが如月ミキと個人的な繋がりを持っていたことが次第に分かっていく。


議論の果てに他殺ではなく事故死だったのではないかという仮説が浮上する。それは如月ミキが最期に残した留守電のメッセージがキーだった。


5人は最も納得のいく事故死という死因を導き出し、和解して、5人で改めて如月ミキの死を偲ぶ。が、2年後、如月ミキの三周忌で再び揃った5人に加えて新たに現れた別な男が新たな仮説を立て他殺であると言いかけ話は終わる。


結局アイドルの死の真相が分かる事は永遠になく、それはアイドルという職業そのものが偶像に過ぎず「真実は本人にとってのみ」みたいな途中のセリフにもある通りその死因もそれぞれの心の中にあるだけで本当の真相は永遠にわからないのだ…というアイドルがテーマの映画に相応しいおわり方だった。
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