ツクヨミ

第三の男のツクヨミのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
4.0
徐々に浮かび上がる"第三の男"の正体…
作家のホリーは友人のハリーに会いにウィーンを訪れるが、ハリーは事故死していた事を知り独自に調査を始めていく…
ジョセフコットン、オーソンウェルズ出演ミステリーフィルムノワール作品。今作はモノクロという特性をうまく活用した撮影が光り、光と影のコントラストが美しい画面に魅了されました。映画史に残るオーソンウェルズの顔が光で浮かび上がるシーンは言わずもがな、街に浮かび上がる大きな人影など印象的な場面が多かったですね。
そしてアントンカラスの音楽は画面とは矛盾しているようなオシャレな旋律を奏でていて面白い。オシャレながら何故か微妙にミステリアスな旋律は当時の世界で絶賛されたのも納得です。
話の展開としては探偵もののような推理ストーリーが進んでいき、テンポも流れるように良く飽きずに見られます。
そして本作の裏の顔は戦争に疲れた人々をうまく表現していたこと。ラストシーンは特に秀逸でヒロインが並木道を歩いていくだけなのに辛い感情を表現していて素晴らしい。絵としても美しいラストシーンですね。
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