なつみかん

息もできないのなつみかんのレビュー・感想・評価

息もできない(2008年製作の映画)
4.2
これは「痛いが見事!」です。

僕は韓国映画が苦手です。
画面の中に映し出される街の景色や、出てくる人物の佇まいがどうも自分の中学・高校の頃のアルバムを見るような気恥ずかしい昔を掘り起こされるようで落ち着かなくなります。
だから韓流作品は未だ劇場で見たことが無いのです。
(2011年のことでした。その後、抵抗感は薄まり劇場に韓流映画をみに足を運ぶようになりましたが)
これも気にはなっていたものの、結局DVDで見ることになりました。

その上で、この見事に『痛い!』映画にやられました。
”暴力”と言う、今の自分には全く縁のない非日常なものでここまで身に迫ってくる辛さは堪りません。
スカッと発散できるハリウッド的なアクションの暴力でなくて、殴られた一発がゴツッと皮膚にくい込む感じのする暴力。
そう、近いと言うなら北野フィルムの”暴力”に同じモノを感じます。

自分とは異世界を覗き見る事で”はっ”とさせ、またその中で人間に不変な感覚・感情が伝わってくる映画でした。
公開時に劇場で見ていたら、2010年自分映画賞に入ってたのは確実に思います。
なつみかん

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