ゾロ

愛と哀しみの果てのゾロのレビュー・感想・評価

愛と哀しみの果て(1985年製作の映画)
3.5
BS自動録画分鑑賞

ラストで知りました
デンマークの小説家:カレン・ブリクセンが
執筆したアフリカの日々(Out of Africa)
彼女の経験を元に描かれた原作がありました

ゆったりスローテンポではあるが
メッセージはたくさんあったと思える

1913年〜
ケニアの美しく雄大な大地と環境で
自由を愛しつつ文明化の憂いを待つデニスと
規律の中でも強い決意を持つ美しいカレン

2人の生き方や信念、思想は観ていると
此方まで強くなれると錯覚してしまう
そんな魅力を感じてしまう

特に、相手を敬うカレンは
仕えた執事や従業員だけどなく
原住民達にも慕われていたのだろう
ラストは心震えるモノがある

帰国の折、私物を売却するが
売却しないモノは、思い出の品ではなく
未来へ託すもの(想い)だった



色々思うところがありました
○第一次世界大戦直前から終戦以降も描かれ
帝国主義の概念や双方の思想、生活、態度が
垣間見れる

○安価な労働者として描かれる黒人達だが
熊本の半導体工場による誘致や地方創生や
経済効果を見ると、日本はアジアで安価な
労働力になったんだと気付かされる

○教育の概念に啓蒙思想が出てきていたが
英国は文字を覚えて何を得た?の族長の問い
外部メモリーが出来ると世界は広がるが
明らかな皮肉に、便利の代償という考え方

○未来を見ないマサイ族の概念は興味深く
牢屋に入れられると死んでしまうという考え方
命の危険が身に迫っていると今が大事で
明日の事なんか考えないという脳の構造かな

○戦後、飛行機から見おろす景色は
敷設された鉄道のレールや車の轍であり、
文明化と共に壊される自然にやりきれない
気持ちになる…でも、便利な世の中から
抜け出したり自分が犠牲になる気はない偽善

○便利なモノが無い世界は
話す事や時間を大事にする世界

○心を寄せ合う当初は、1日の出来事や
仕事の事等話さないで、物語だけだった
月日と共に求めるモノが変わり…

○価値の共有と通じる気持ちと
時間経過と共に変化する価値観
 余分なモノを好む 
 余分なモノに気付く
大事な人の価値観にお互い感化する逆転現象
ゾロ

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