HidekiIshimoto

そして人生はつづくのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

そして人生はつづく(1992年製作の映画)
5.0
㊗️DVD化。で『友だちのうちはどこ?』と続いて観れるというこの至福。ノートの押し花の至福感がまだ胸に残っている。けどこれ公開時に観た時の印象で残っているのはたわいない会話とボロ車と道。それだけ。ようやくまた観てみてもやっぱりたわいない会話と車と道ばかりが目に映り続け、そしてシメのジグザグ道。そして"地震の犠牲者に捧ぐ"の言葉。続いてのエンドロール。そして俺は泣いている。手脚がジンジンして胸が何かでいっぱいになっている。なんだかわからない。死者3万人以上だったというイラン大地震。そのリアルな現場を舞台に「おじいちゃんも妹も従姉妹も死んでしまった」とかいう会話を時に軽い微笑みまでうかべて話すリアル現地の人々。そして人生はつづくことを彼らは地震の前から知っている。陽が傾いてきて夕闇の気配が近づく。そして長い坂道を登って行くボロ車。そして俺はなぜだか泣いてる。なんという、なんという不思議な映画だろう。