このレビューはネタバレを含みます
過酷な戦場へ送られ心が壊れてしまった男が森でハンターたちを殺していた。
痕跡を残さず潜伏する彼を探し出す任務に駆り出されたのは、かつて彼を鍛えた伝説の追跡者(トラッカー)だった!
かくして「俺の戦争は、まだ終わっちゃいない!」と某乱暴モノみたいなことを宣う彼とメタルギアのザ・ボスみたいな師匠との信念をかけた追いかけっこが始まった!
宇宙人ジョーンズがメリケンで特殊部隊の師匠をやってた時の話。この星のコーヒーは美味いとか言わないけど。
とにかくベニチオ・デル・トロの「イっちゃってる眼」と息を吸うように人を殺していく姿は圧巻。
基本的に追いつ追われつ、を90分くらい続けるだけなんだけど、森林地帯から街中の追跡劇が緊張感あってすごい。
そして姉弟対決である宇宙人ジョーンズとベニチオ・デル・トロの近接戦闘が見応えたっぷり。
映画的な見栄えで言えばド派手なアクションがあるわけでもないんだけど、一撃一撃がどれも首元や腹部といった急所狙い、それをブロックしながら返し技を放って、の応報で、リアリティのある演出やカット割もあって特に格闘技やってたわけじゃない二人が本物の「プロ」のように見える。
ナイフ作ってる暇があるなら買ったら?っていうツッコミがあるようだけど、ベニチオはハンターであり捕食者の頂点であると思い込んでいるので、狩りをする上では自作の武器を使ってこそ相手に敬意を払う、という意味合いがあると思うので全然違和感には感じなかった。
冒頭の戦闘シーンはちょっとチープに感じてしまうところはあるんだけど、全体通してとても面白い作品だった。