Shelby

ロリータのShelbyのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.2
題名からダイレクトに伝わるロリコン具合。初っ端、まだ成長し切れていない少女の小さな足の指と指の間にコットンを挟んで丁寧な手つきでマニキュアを塗っていく。それだけしか映されていないのに、とても幻想的なシーン。

荒れ果てた屋敷を男が尋ね、酔っ払って何処か退廃的な雰囲気を纏う男キルティを殺害する。そこから過去に遡っていき、主人公ハンバードとロリータの出会いに繋がっていく。ロリータを一目見た時から恋に落ちたフランス文学の教授ハンバード。
ロリータから離れたくなくてどうにかこうにかしてついにはロリータの母親と結婚してしまう。ここからもう歪んだ愛情すぎて凡人の私には理解できませんでした。そんなに執着するものなのかな?

しかし、ふとしたタイミングで日記に綴ったロリータへの溢れる愛を母親に知られてしまう。あまりのショックに大雨の降る中、外に出た母親は車にはねられ無事死亡。意図せず、ロリータとの2人きりの生活が始まる。
しかし、自分の可憐さを自覚しているロリータはどこでもかしこでも色目を使う始末。ハンバードはどこにいても気が気じゃない。そして学校での舞台をキッカケに旅に出ることに。
旅の途中、二人揃って病気になってしまいロリータは入院することに。しかし退院を目前にロリータは既に叔父に引き取られていったという。叔父って誰!?ここまでしといて逃げちゃったのロリータ!?と一瞬パニックになる私。

その後行方不明のロリータから手紙が送られてきたので、慌てて向かうと腹に子を宿したロリータの姿が。
すっかり強かで立派な女性として成長していたロリータ。そこには数々の男性を魅了していった過去のロリータの姿はなかった。泣き崩れるハンバード。
ありったけのお金1300ドルをロリータに渡すと現金な彼女は、泣くなとハンバードにキレていたにも関わらずコロッと優しい態度に。
「ずいぶん騙してきたけど、でも物事ってそんなものよ。」
何事もなく言い放つ残酷さ。恐ろしかった。あれだけ自分に尽くしてきてくれて、幼い自分を育ててくれた親なのに。

そこでずっと交際をしていたキルティの存在を知り、ロリータの家を飛び出し、そして物語は序盤へと引き戻される。
ロリコンの語源にもなる今作品。美しくもあどけなさを残す彼女の演技はとにかく目を引きました。改めて“美しさは罪”なのだと考えさせられました。
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