ひろゆき

ロリータのひろゆきのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.5
女は男を狂い死にさせる方法を知っている。原作の小悪魔的なロリータのエロティックな面は規制されているものの、当時としてはとんでもない問題作だったと思う。男と女は肉体関係によって、互いになくてはならない存在へと昇天していく。結局は、惚れてしまった方が負けなのだ。
いつの世も、男と女は、ばかな繰り返しを繰り返す。肉体は大きな理性である。魂の結びつきを求めたところで、肉体を超えることはできない。男が女を虜にしたければ、男の中に隠れている子どもを仄めかすしかないのだ。大人になって、女を縛り付けようとしても、女の魂は、遠く去っていくだけなのだ。

くりかえす
谷川俊太郎
くりかえしてこんなにもくりかえしくりかえして
こんなにこんなにくりかえしくりかえしくりかえして
くりかえしくりかえしつづけてこんなにもくりかえしてくりかえし
いくたびくりかえせばいいのかくりかえす
言葉は死んでくりかえすものだけがくりかえし残るくりかえし
そのくりかえしのくりかえしをくりかえすたび
陽はのぼり陽は沈みそのくりかえしにくりかえす日々
くりかえし米を煮てくりかえしむかえるその朝のくりかえしに
いつか夜のくるこのくりかえしよ
云うな云うなさよならとは!
別れの幸せは誰のものでもない
私たちはくりかえす他はないくりかえしくりかえし
夢みあいくりかえし抱きあってくりかえしくるよだれよ
もう会えないことをくりかえし
いつまでも会うくりかえし
会わないくりかえしの樹々に風は吹き
今日くりかえす私たちの絶えない咳と鍋に水を汲む音
おお明日よ明日よ
何とおまえは遠いのだ
出逢わなければ良かった。

先日、作者、亡くなったよね。
ひろゆき

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