わせ

女系家族のわせのレビュー・感想・評価

女系家族(1963年製作の映画)
3.4
誰が遺産を多く勝ち取るのか分からず、最後のどんでん返しには驚かされる。相続争い系の作品の名物である周りに群がる汚い大人たちの存在が圧巻だったし、最後の三姉妹を見るに遺産相続争いがこれからの自身の生き方を見直すきっかけにもなっていて、それぞれに思うところはあるだろうが 前向きな終わり方で胸糞悪さが残らないのが良かった。名家に縛られる苦しさやプレッシャーから開放された京マチ子の最後の表情が印象的。自分の欲に忠実なのは長女であるように思えたけど、若尾文子だって自分の子どもを守らなければという使命に従ったまでであって、形は違えどそれも欲。結局 誰だって生き抜くにはある程度の欲が必要だ。ただ、やはり欲に溺れていってしまうと最後は破滅を見ることになる。最初から最後まで当事者でありながら客観的に物事を考えられていたであろう三女に一番精神的ダメージが少なそうなのも納得である。
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