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堕落する女のENDOのレビュー・感想・評価

堕落する女(1967年製作の映画)
4.2
冒頭から田村高廣の反射する眼鏡と浜辺での俯瞰するパラソルの下にいる高廣と高橋悦史の目に映る若者たちのゴーゴーダンス。足元に寄った白昼夢のようなスローモーションだけで涙が出た!細川俊之が浜辺で咆哮して側転する際に出てくるヒトデも鞭がわりのベルトから変容する蛇もミルクに蠢くミミズ。溶けたような質感の陶器。花や波のdissolveも含め全て過剰だしバタヤの振り下ろす金槌の音が不快感を倍増させる!身を持ち崩してのち実家を訪れ久々の再会に水戸光子(頼りない母)演じる母親に会釈するシーンで切り返されない不自然さは高廣の心境に寄り添わない主観を廃したものかもしれない。桑野みゆきの内面は揺らぎながらも一貫していて変わりようがないし最低なDV野郎の細川としっかり抱き合うのが終幕だけというのも異常に突き放していて心が荒廃した!メロドラマの臨界点。
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