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王立宇宙軍 オネアミスの翼のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.7
このレビュー忘れてた。傑作の誉高いが好き嫌いも激しく分かれる作品だね。
アマチュアSF集団だったゼネプロがプロとなりいきなり劇場用長編オリジナルを作成したことが先ず凄いし、アニメーションのレベルの高さ、なにより世界観を構築する為のあらゆるデザインの独自性が凄い!
庵野や貞本を輩出した功績はただ事では無いよ。

物語は架空の地球で、王立宇宙軍と言われる余り役に立たない集団の話。
宇宙軍所属のシロツグはヤル気が無い青年だったが、信仰深いリイクニに出会い、この世界初の宇宙飛行士を目指す。という話。

ビジュアルは本当に素晴らしい。バジェットのデザインが、車や飛行機だけで無く衣装や建築、果ては文字や儀式まで全て新造してる。
貞本キャラもまだ大友っぽさがあり、今とまた違う魅力だ。

しかし話がなんてこと無さ過ぎる。安彦良和が「ガガーリンの様に地球は青かったと言うだけの、何のメッセージ性も無い話」と酷評したのも理解は出来る。(安彦お前が言うな、とは思うが)
それでも無気力な若者が、まだ見ぬチャレンジに挑むと言う青春群像劇としてはシンプルでよく出来てるとは思うけど。

まあ制作にロケット好きな岡田斗司夫が入っているので、こうなったのかなと今にして思う。
山賀博之は未だに続編の蒼きウルを作りたいようだが、難しいだろうなー。ガイナの主力メンバーはカラーやトリガーに行ったし、もう30年以上経っちゃったからねー。
本作の持つ若気の至り的なパワーある作品は作れないよなぁ。
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