yuuuumi

ディパーテッドのyuuuumiのレビュー・感想・評価

ディパーテッド(2006年製作の映画)
5.0
この映画、大好きです。
キャストも話も音楽も全部傑作。
日本版、香港版も傑作。

ハリウッド版は少し設定が変わっていて、マドリンという女医(精神科医)が、ビリーと、コリンとの間で揺れ動き、時には危ういビリーに寄り添い、危険な母性本能をくすぐるコリンとも離れられない、そんな存在の女性を演じています。

タイトルの『ディパーテッド』はキリスト教での意味が『死』を表しているそうで、この物語の世界観そのものなのかなと感じました。

コリンとビリー、正反対の二人は運命に抗えず潜入捜査官としてそれぞれ過ごす事になりますが、本当の生活を捨てる毎日が生活そのものになり、本当の自分が何者なのかすらわからなくなり、ビリーの思い悩んでいく様子がとても悲劇で、悩ましく感じます。

コリン役のマット・ディモンが見事な悪役に徹していて、同情の余地がなく、ビリーとは真逆で、本当の自分から新たな自分になりたいと願う対比が見事に描かれているところが秀逸であると感じました。

そういったところからもこのタイトルの意味に納得でき、見終わった後には、やるせない気持ちが残りますが、このコリンとビリーという役柄を見事に演じた演技がほんとに素晴らしく、とても惹き付けられました。
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