Tig

ファイト・クラブのTigのネタバレレビュー・内容・結末

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

すごい映画だと思います。何回も観てます。オープニングとラストだけでご飯3杯いけます。
でも観るたびに感想を書く程自分が内容を消化出来ているのか不安な気持ちにさせられます。

どこをとって面白かったとするか掴みどころがない感じも。

高級アパートに住みIKEAのカタログにハマり好きな家具を取り寄せブランドの洋服を買い漁る。父性の欠落により精神的に去勢された男=人生そのものを資本主義が生み出した巨大企業の広告宣伝戦略によって乗っ取られている「用意されたカタログで人生を決める男」をノートンが怪演しています。
これはつまり観ている僕らの事か?と思い当たる次第。そんな男が創り出した理想の自分タイラー・ダーデン。彼は頭がよく、顔もいい。モノやイメージにとらわれずにやりたいように生きていく。自分の成し遂げるべき事が明確で、自分を満たす事が出来るのは着飾ったブランドではなく自分自身の内面を高める事での精神的な充足に他ならないと理解していると。。
そんな彼は自身の分身ノートンが精神的に去勢されている真因は(彼の言う)女みたいな価値観を植え付けた行き過ぎた資本主義にあると考えます。痛みを通じて人間としての根源的な強さ、生きる喜びをイニシエーション的にもう一人の自分に伝導し、徐々に彼自身を侵食していきます。
物語が進むにつれファイトクラブに感化された男達は増殖、次第にテロ組織のようになっていき、あらゆるブランドと定義されるものや支配階級にあたるものを破壊せんとします。この既存の価値の破壊に挑む物語としての面白さに一番やられました。観ている自分の根幹にある価値観を根本から覆そうとしてくるように感じます。観ていてかなり揺さぶられました。フィンチャー怖い…

一方でコンビニのシークエンスにおいて明示される何かを成し遂げる為には命を懸けなければならないというメッセージにはポジティブに感化される要素があるように感じました。

後半は突っ走っていった事後に待ち受ける狂気を曝け出していきます。精神分析的なアプローチの中で繰り広げられるノートンとブラピの主導権の奪い合いはハラハラします。
あー良かったノートンが主体を取り戻した。と安堵したのも束の間、カード会社爆破のエンディングで訪れるカタルシス。あれっ正気はどっちなんだろうかと考えさせられます。マインドハックされたかのような感覚。そしてラストのサブリミナル。