あこ

ファイト・クラブのあこのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
4.7
前半の主人公の姿がとても良かった。仕事があって衣食住には困っていないからこそ退屈で、毎日がコピーみたいで、むなしく、心を埋められる場所を探している。退屈だから刺激的だったり暴力的なことに心のどこかで憧れている。消費社会の渦中にいる現代人にとって相当刺さる姿だと思う。
しかし、この映画はそういう人たちに正しい消費社会での過ごし方を見せるものではない。タイラーの出現からの展開は、刺激的で暴力的で、善行とは言えないが、やっぱり映画的には興奮したし面白かった。消費社会の問題からくる感情の乖離をしっかりエンタメを交えて描いているところが本当に素晴らしいと思う。
あこ

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