グレアムの手紙

ファイト・クラブのグレアムの手紙のレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
5.0
エロスと暴力の対概念。愛の成就が人格統合を成し遂げ、ホモソ的暴力が金融資本主義を解体する。バグった男を描いた2時間半の手の込んだドラマを、1/24秒だけ映りこむ一本の男根で回収する軽やかさ。

金融ビル爆発で幻想の崩壊を見る。Where Is My Mindを聴きながら、ふりだしの宙ぶらりんな状態に回帰していく。使命感と無能感の振り子。あるいは彼は次のステージに行けたのか?いや、彼が特等席から爆発を眺めるのと、私たちが映画を見ていることと、少しも違いもない