ロールシャッハ

ファイト・クラブのロールシャッハのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.6
徹底的な自己破壊の末に…

ナレーター(僕)は、見てる側(あなた)を表している→消費社会における消費者
タイラー・ダーデン(理想像)は僕と正反対のものを表している→自由を求める者

IKEAだらけのアパートからボロボロ屋敷も資本主義への抵抗。

殺人・貧困・犯罪に関心をとめず、
物や娯楽(この映画も含め)に夢中になっている現代人に向けて言いたい。
"ボーっと生きてんじゃねぇよ!"
この言葉がぴったりはまる映画である。

ファイトクラブは自己破壊を目的としてるので、決して一方的な暴力・殴り合いをやっているわけではない。
自己破壊(物理的、精神的な痛み)を味わうことによって、生きていることを実感する。
いつしか、自己破壊集団から騒乱画策集団へ変化。
消費社会をぶっ壊すにはどうしたらいいかというストーリーが進行する。

名言が多いところも見所。
「お前は物に支配されている」
「そう、我々は消費者だ。ライフスタイルに仕える奴隷だ」
「腫瘍ができたらマーラと名付けよう」
「心配するな。これからは、うまくいく」
など、胸に突き刺さる"タイラー"の言葉と詩のような"僕"の言葉。

人間の脂肪で"石鹸"を作って売るとか、最高に皮肉ってる笑

クレジットカード会社のビルを破壊することで、資本主義をぶっ壊そうとするタイラーと僕の戦い。
すでに天国なのかもしれないが、数秒のハッピーエンドが僕とマーラの間に見れてよかった。
「出会いのタイミングが悪かった…」

エンドロール前のサブリミナルは、この映画を見てるあなたも消費社会の一人だよ。
あの画を一コマを入れたのは、タイラーだよって意味だよね?

死ぬ気で生きてない自分に嫌気が指しました(涙)
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