ベトナム戦争で半身不随になってしまった青年が、ある出会いをきっかけに人生を前向きに考える。持ち前の明るさで、必死に生きる姿に涙が出た。切ない胸の内を思うといたたまれない。ラストの講演会のスピーチがとても良くて、戦争で人生を狂わされた若者を描いた反戦を訴える良作でした。暗くなり過ぎないのも観易かったです。
本当は、女性から観たベトナム戦争の話だったぽいが、これはルークの物語として捉えちゃいました。その辺が評価に繋がってるのかも!?
海兵隊員ボブ·ハイド大尉がベトナムに出征し、妻のサリーはボブの同僚の恋人·ヴァイの紹介で基地の病院でボランティアとして働き始めます。ヴァイにはベトナムで精神的外傷を負った元帰還兵の弟·ビルがいて、彼も入院しています。サリーは院内で高校時代の同級生ルークと再会します。彼は戦争で負傷し、半身不随となり入院中で、自暴自棄になり暴れていました。
ネタバレ↓
サリーが彼と普通に接する事で、彼は変わって行き、2人の関係は恋愛感情へと変化し、サリーは半身不随のルークと一夜を共にします。そして、ボブから休暇を2人で香港で過ごそうと手紙が来て、サリーは出掛けますが、ボブもすでにベトナムの戦場に蝕まれ始めていました。
その頃、病院ではビルが精神的に不安定になり自殺。香港から戻ったサリーはヴァイを慰め、ルークはビルの死がきっかけで反戦感情が頂点に達し、車椅子で米軍基地に行き、基地のゲートに車椅子ごと自身の身体を鎖で結び、ベトナム戦争反対を訴えます。
ルークは逮捕、釈放されますが、彼の行動はFBIの監視下に置かれ、サリーとの関係も掴まれます。
ベトナムでPTSDとなった夫と別れる事など出来ないと悟ったサリーは、ルークと話合い、ずっと友達いる約束をした。
その後、ベトナムから帰還したボブは、要注意人物のルークと知り合いだろうとFBIから聞かれ、2人の関係を知る事となります。
激昂した彼は妻を問い詰めます。サリーの元に駆け付けたルークの説明でその場は収まり、ルークはサリーの友達として去ります。
しかし、ボブはサリーが買い物に出た隙に海に裸で入り、波にのまれます。
ルークはベトナム帰還兵をゲストに迎えた高校の集会で、自分が君達くらいの頃、上の奴らの嘘を鵜呑みした事。祖国の為に人を殺したが、殺した理由が見つからない事。腕の中で人が死に戦友が目の前で吹っ飛んだ事等を話、酷い事をしたと後悔していると訴え、学生達にそんな悔いを背負わせたくないと語るのでした。
ルークは真面目な学生だったのだと思う。ラストのスピーチは、本当に素晴らしく、彼にもそう言ってくれる人がいたら違っただろう。また、サリーとの不倫も観ていて、切なく辛かった。それでも懸命にサリーにアプローチし、どんな事も人を頼らずこなす姿に涙が出た。不倫は、嫌いだけど、これは責める気にならなかった。サリーも良い人過ぎるのは映画的だけど、それでも良い作品だった。ラストにルークが前向きなのが、やっぱり嬉しかった。
*leylaさん、ありがとう♡