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遊星からの物体X ファーストコンタクトのYutoのレビュー・感想・評価

2.9
1982年に公開されたSFホラー映画『遊星からの物体X』の前日譚。
事実上のリメイク。

1982年、ノルウェーの南極観測隊が氷の下の巨大な構造物を発見する。
後にアメリカ人科学者との混成チームで氷の中から凍った「物体」を回収。
以下略。

基本的なストーリーはジョン・カーペンター監督のオリジナル版と大差ないが、オリジナル版ではあまり描かれなかった宇宙船が登場する。


印象としては『エイリアン』(監督:リドリー・スコット)と『遊星からの物体X』を足して4くらいで割ったものといった感じ。
本作ではけっこうVFXを多用しているが、正直に言って映画で描かれる化け物の魅力はオリジナル版に遠く及ばない。
本作は2011年の映画だが、CGI自体がその10年くらい前に作られたような出来映えに思える。ビジュアルはグロテスクだが、終始ニセモノにしか見えなかった。

閉鎖空間におけるストーリーはオリジナル版とほぼ同じで新鮮味に欠けるし、ホラーシーンも音で驚かすだけの単調な演出が多い。

キャラクターは多いが興味深いと思える人物はいないし、主人公のキャラクターにもカリスマ性は感じられなかった。

全体的にはそれほど悪い映画ではありませんが、オリジナル版を観て余力のある人以外の方にオススメするほどとは思わないです。いわゆる凡作ですね。

懐古主義者を気取るつもりはないし、個人的にそういう人は嫌いですが、『遊星からの物体X』に関してはオリジナル版の方が映画として遥かに優れているし魅力的です。まずはそっちを観ましょう。
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