実際の老女連続殺人事件をベースに
夢を抱えてやってきた女と
パリに疲れた男たちを描いた群像劇。
搾取するものとされるもの。
ウィスパーボイスな儚い外見、
言葉も通じない女の飄々とした図太さと
一見たくましい華やかさの中にみせる
男の繊細な鬱屈は
混じり合うことのないままに
闇が孤独を溶かし街をさまよう
毒々しい輝きの赤と青
闇と混じり合う黒い夜の喧騒は
華やいだパリの裏の顔、
だけどもしかしたら住んでる人たちの
場所や境遇によってはその夜の顔が
本来の姿なのかもしれない
女と悲しい殺人鬼が言葉を交わした
あの一瞬の小さなやすらぎが
やさしくて寂しかったし
エンドロールの切ないメロディが
たまらなく心地よかった
・
ゴルベワの透きとおるような圧倒的な
美は強烈で これまで観た「欲望の旅」
「ポーラx」の3作品の中でも群を抜いて
魅力的で なんでもない佇まいの中に魅せる
あのオーラに釘付け。
だからこそあのドレス姿の大きく開いた
背中が眩しい
そしてこの日観た2本の映画はどちらも
強くなった女が金を持ち逃げしていた