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希望の樹のchiyoのレビュー・感想・評価

希望の樹(1976年製作の映画)
4.0
2022/6/12
祈り三部作の2作目。20世紀初頭、ロシア革命前夜の東ジョージア、カヘティ地方の小さな村。序盤は長老ツィツィコレが村人に支持され、マイノリティな人たちにも優しい作品だと思った。が、話が進むにつれて悪しき因習が目に付き、村人の残酷さが伝わってくる。その犠牲となるのが美しい娘マリタと青年ゲディアで、二人が辿る結末が無慈悲で情け容赦なく、ただただ辛い。そして、二人の救済を求めて愚行を責めるのは、マイノリティな人たちのみ。彼・彼女たちが村人から一線を画していたのは、村の因習に馴染めない過去があったからだと痛感する。ラストのナレーションは、これだけのことがあっても人間を信じている節がある。それが希望なのかもしれないけれど、私にはまだ感じられなかった。
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