Shirorin

誰も知らないのShirorinのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.0
「誰も知らない」…

新年早々、キツイ映画を観てしまった…

主演の柳楽優弥が史上最年少の14歳という若さで、カンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いたことは、普段映画を観ない人までもが知っていることと思う。

『万引き家族』の原点を見た気がした。
『万引き家族』のように、お金がなく、万引きをしながら、生計を立てているわけではないが、親から棄てられた子供、というところで、重なる部分があった。

育児放棄という虐待、よくニュースで耳にしたりはするけれど、子供4人も産んでおいて棄てるなんて…!
学校にも行かせてもらえないとか、こういう子供って、本当に日本のどこかにはいそうだと思ったら、実際に母親が父親の違う子供4人を置き去りにするという事件があり、それを元にしていたと知り衝撃を受けた。

この子たちは、誰にも知られないように、ひっそりと暮らしている。子供だけでのこんな生活、いつまで続けられるんだろうか。ラストも、なんの救いも希望もないまま終わる。まだ、擬似であろうと家族の愛や笑いに溢れていた『万引き家族』の子供たちの方が幸せだと思った。

着ているものもどんどん擦り切れ(あんなに服がボロボロになるまで着ている人を見たことがない)、家はこちらまで臭ってきそうなゴミ溜めのように荒れ、でも、誰も気が付かないのだろうか。
子供たちが離れ離れになりたくないからと、救いを求めないから気付けないのだろうか。
こんな子供たちが日本にいるなんて…なんとか、救ってやりたい気持ちになった。。。
Shirorin

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