竜平

気狂いピエロの竜平のレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
1.6
とある男女の、あまりにも突然に始まる駆け落ちにも似た逃避行。ジャン=リュック・ゴダールによるロードムービー的ラブロマンス映画。と形容しとく。

『勝手にしやがれ』を久しぶりに見た流れで今作を初鑑賞。ゴダールがなんとシナリオなし、すべて即興演出で作り上げたという異色及び奇跡の作品とのこと。まぁそんな前情報を知ってしまったがために、もうずっと「その程」で見てしまったんだけども、それが正解だったのかどうかはわからない。退屈な結婚生活にどうやら嫌気がさしている主人公の男フェルディナンと、彼の元愛人マリアンヌ。二人の再会を機に、雪崩れ込んでくるのが非日常というもの。にしても全編に渡る突飛な話題や出来事、人物の急な思いつきなど、とにかく急展開の連続。そしてわりと「やりたい放題」。不意にくるカメラ目線、第四の壁をいきなり壊すとかももはやお手の物。フェルディナンをマリアンヌが「ピエロ」とずっと呼び続けるくだりはなんかじわじわきて笑える。あと混ざってくるちょいエロ要素ね。

抽象的な言い回しや表現は多いし、脈絡がない感じも大いにある、ってシナリオがないんだからそりゃそうなるよね。あれやこれやとベラベラ語りまくって、そこには人生やら愛やらに関しての話もたくさん出てきたりする。いや、言ってることはわかるのよ、ただなんて表現したらいいんだろうこれは、全力でふざけてるのか、結局のところ「シュール」と言うべきなのか。何はともあれ恐らく「ただ感じろ」的な内容。映像やらに興味を持てる人にはいいかもしれないけど、とりあえず個人的には全くもってハマらなかった一本。チャンチャン。
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