牛蛙

気狂いピエロの牛蛙のレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
4.6
ゴダールはやっぱカラーでこそ真価を発揮しますね。
『中国女』でも同じような感想を持ちましたけど、まず色彩がとにかくカッコいい。ワンシーンにさまざまな色が混在して尚且つそれぞれが強い主張をしているのに、それぞれの邪魔をしない。
それにポップアートっぽさもあります。(ウォーホルではなくリキテンスタインの方向性の)本作のアンナ・カリーナはリキテンスタインの絵に出てくる女性の雰囲気があります。

ゴダール映画でよく言われるのが、撮影方法の革新性ですが、本作のファッションなんかも凄い革新的です。特にベルモンドのパステルカラーのスーツにスリッポンというスタイルは当時の20年先を行ってますからね。
このスタイルは84〜89年放送のアメリカドラマ『マイアミ・バイス』がアルマーニやヴェルサーチを取り上げて流行ったんですが(今でも80年代の典型的な服装としてパロディされるくらい)、ドラマ放送以前はパステルカラーの服は女性のものと見なされていたらしいです(ソースはMiami Vice Fashion New York Timesで出てきます)

こんなに褒めちぎってスコアも高くして言うのもアレなんですが、正直クソつまらないという気持ちもわかります。ただ私としては『ミスタービーン』を観る時と同じように頭空っぽで考えずにただ感じれば良いと思います。

ちなみに最後の『永遠』は映画の訳より堀口大學とか小林秀雄の訳のほうが好きです。
牛蛙

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