Shelby

気狂いピエロのShelbyのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
3.2
感性を刺激する映画とはこのことだろう。視覚、聴覚、思考をフルで使ってもなるほど、まるでサッパリ分からん。ストーリー展開に期待して見るものでは一切ないと断言出来る。語り手が淡々と読み上げる詩の数々や、突然のミュージカル調にも呆気に取られる。ひとつの芸術作品と言われても頷ける、そんな不思議な映画。

主人公フェルディナンが序盤に訪れるパーティのシークエンス。フランス国旗のように赤、白、青と色が移り変わる。他レビューにてこのシーンに隠された意味として、移り変わるフランス社会への意味があるのではないかという推論を見て感嘆した。

常人には理解し難い話だったが、なんとなく分かったのは、愛と別れは紙一重ということ。
マリアンヌの裏切りにより、二人とも命を落としてしまう。

〝 また見つかった 〟〝 何が 〟
〝 永遠が 〟〝 海ととけあう 〟
〝 太陽が 〟

ラストのこの掛け合いで二人が永遠に結ばれたのだと解釈出来なくもない。
何度でも言うがこの作品自体、理解はできない。だが、芸術とはそんなものであるのだろうし、昼から後味残す癖のある作品を見て面白みを感じたのもまた事実。結果断言出来るのはやはり、フランス語は耳に心地いい。
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