靉靆

気狂いピエロの靉靆のレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
5.0
過去に縛られ生きる男、未来に希望を抱き生きる女。逃避行。

出てくる言葉殆どが感覚的で哲学"っぽい"。やたらと本を読みやたらと言葉を飾りやたらと愛を囁く。二人はふわふわした状態のまま進み、言葉に嘘と真実を混ぜ込む。ストーリーを楽しむというより芸術的に全体を眺めるといった感じ。鮮やかすぎる色彩と頽廃的結末。私自身の映画の嗜好を確立させた作品。圧倒された。

観客に話しかけるフェルディナン。クルマ越しのキス。運命線と腰の線の歌。素敵で大好きなシーンが沢山。

何が見える?
時速100キロで破滅に向かう男の顔
私にも見える
破滅に向かう男に恋する女の顔が
キスしよう
靉靆

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