りょうた

21グラムのりょうたのレビュー・感想・評価

21グラム(2003年製作の映画)
4.5
交通事故で夫と2人の娘を失った女性。その夫の心臓を貰い人生を取り戻した男。3人を轢いた信心深い前科者の男と出頭を思い止まらせようとする妻。各々が抱える苦しみや葛藤。信じられないくらい重い。
それでも人生は続く。この言葉は劇中2回出る。家族を亡くしたナオミ・ワッツに父親がかける言葉、そして加害者のベニチオ・デル・トロに妻がかける言葉。更に神様に関係なく、とも。信仰心だけで生きているような人間になんとも辛辣だが、それも家族を思うが故。
夫からの留守電を何度も聞くナオミ・ワッツ。喪失感の大きさが辛すぎて心を抉られる。
ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロ、ナオミ・ワッツ、シャルロット・ゲンズブール。好きな俳優ばかりだし、それぞれの演技がとにかく素晴らしい。時系列がバラバラで複雑な構成だが、わかりづらくはない。
人が死ぬ時に失う重さ。21グラム。ハチドリの体重、チョコバー1個。ラストのナレーションで、失った21グラムのあまりの重さに打ちひしがれる。
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