デニロ

股旅のデニロのレビュー・感想・評価

股旅(1973年製作の映画)
3.0
1973年製作公開作品。いつでも観ることが出来ると思っていたその頃。とうとう46年も経ってしまった。観たい映画はチャンスがある時に観るべきだ。書籍も読みたいものは買ってしまう。CDもしかり。共にすぐに絶版になってしまう。コンサートも芝居も一回性のものだから少しくらい奮発してでも行くことにしている。後悔の方が重い。もちろん好きな人に告ることも忘れてはいけない。

そんな思いで観に出掛けた本作。冒頭の仁義を切るシーンがとにかく観たかった。そのシーンを観てしまったら後の物語は実にどうでもよいもので、井上れい子のエピソードがなければ退屈至極の物語。本作を観ながら『菊とギロチン』を思い起こしてしまう。新人女相撲の木竜麻生と井上れい子が被ってしまった。井上れい子はスター誕生のアシスタントで記憶に残るがその後の行方は杳として知れない。まるでそんな女優は存在しなかったかのように跡形もない。高貴な処へ上昇したのかそれとも。

青春映画の括りだろうけれど今も昔も七転八倒する青春に未来なんてないじゃないか。

脚本谷川俊太郎 、市川崑。監督市川崑。
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