ミク

ウェイキング・ライフのミクのレビュー・感想・評価

ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)
5.0
"全知全能の創造主である神”と説くキリスト教文化がまだ身近にあるアメリカ。”宗教”という言葉を聞いただけで怖いと懸念してしまう人も多いように感じる日本。同じ人間でも、育ってきた環境の違いで大きく考え方が異なるって面白いなと思う。

多様な人々の見識や英知が次々と会話の中で出てきてとても興味深いものばかりで、新書を1冊分ぐらい読んだ気分になった。現実を夢心地で見てることへの警告にも感じられて、神経尖らしてトリップしないように頑張った。

「”不完全”さが創造を生むのよ」
言葉はあくまで形式であり、物事の本質を理解するのは不可能なのかもしれない。特に字幕を通して見てる限り、翻訳家の価値観も混ざってくるから尚更、作り手の伝えたい事が歪んでこちらに届いてしまっている。映画という媒体も結局は自分の想像力を欠如していくのかもしれないと思ったり。

日々生きて行くことに必死になって俯瞰的にモノを見てしまってることに気付かされた。目や耳から得た情報を咀嚼せずに面倒だからと、怠惰だけが働き自分を失っていく。何が怖いってそれにさえ気づいてなかったりすること。先日見たハッカビーズの実存主義とリンクする作品で、自分を問いただせ!と言われているかのようでドキドキしてます。
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