さまよえる象人間

アメイジング・スパイダーマンのさまよえる象人間のレビュー・感想・評価

3.9
結論から言うとサム・ライミ版を越えていない。その理由の一つにA.ガーフィールドが挙げられる。まるでルーザーっぽくない。どもり演技をいくらやってもスタイルの小綺麗さが説得力を奪ってしまう。トビー・マグワイアの“キモさ”は彼自身の愛嬌あるルックスから醸し出されたものだが、こっちの方は“キモさ”を出そうとして却って逆効果を生んでいる。

一方原作通りグウェン・ステイシーとの関係から始まった物語はサム・ライミ版とは異なり非常に死の影が強い。それはライミ版の露悪的なユーモアが後退し、より生々しいアクションに傾いたからというのも大きいだろう。この点は旧シリーズとの差別化が図られて面白い。