さまよえる象人間さんの映画レビュー・感想・評価

さまよえる象人間

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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

1.5

タクシー運転手から見た光州事件ということでそれなりに期待してみたが、10年一昔のテンプレ人情劇。そもそも光州事件は決して「国家VS市民」で済ませられるような単純なものでなく極めて根の深い事件なのである>>続きを読む

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年製作の映画)

2.9

凡作。薄っぺらいアクションにお涙頂戴シーンを繋げているだけ。
観ていて最後まで疑問が残ったのは、なぜこうまでシリアスな物語を作ろうとしたのかということで、そもそもこの手のヒーロー集合映画に求められてい
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パシフィック・リム(2013年製作の映画)

2.5

血湧き肉躍るロボットバトルという謳い文句に釣られて観たが、現実には胡散臭い科学者とブローカーのコントしか印象に残っていない。そもそも何故主人公が怪獣の謎の解明にほとんどタッチしない作劇にしたのだろうか>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

2.1

どうにもギレルモ・デル・トロはあまり巧い監督ではないように思える。海外ではいくつかのシーンでの他映画からの剽窃が相次いで指摘されているが、詰まるところ自身のオタク趣味のパッチワークでしかないというのが>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.3

ここ数年すっかり低迷状態にあり遂には日本のアニメ映画の後塵を拝する結果にも相成ったピクサーであるが、これは…「まぁ良いんじゃないっすか?」と言いたいところだけど、死者の世界を扱ったファンタジーとしては>>続きを読む

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

1.5

降板したザック・スナイダーの後を継いだジョス・ウェドンであるが、マーベルから身を引いた後の演出センスと審美観の摩耗ぶりには驚愕の一言。ヘンリー・カヴィルの髭消しの出来の悪さはいくら糾弾してもしすぎるこ>>続きを読む

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

2.0

アクション演出がことごとく凡庸で工夫が足りず、特殊効果を含めて映像は絶望的に安っぽい。そもそもデジタル加工された映像と黒人の肌とは絶望的に相性が悪く(『キャットウーマン』がその良い例)、そこら辺は撮影>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

2.1

これ見るぐらいならプリキュア観た方がマシだし、WW1を戦い抜いた女性に触れたかったら『バトルフィールド1』遊んだ方が良い。
アクションは外連味に乏しく、後半になると物語がどんどん弛緩してくる。要するに
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ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)

2.0

劇場まで態々出かけて虚無を抱えたまま後にした記憶はいまだに脳裏にこびり付いて離れない。
悪役ゴジラ復活ということで気合いが入ってるのはわかるが、それなら宇宙人相手に登場人物が右往左往した挙げ句ゴジラが
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ゴジラ(1984年製作の映画)

3.8

初代では序盤で処理されていた国際的な駆け引きを巧く物語に盛り込んでおり、ゴジラ大暴れ後の流れもテンポがいいので作劇的には『シン・ゴジラ』よりもしっくりくる部分が多い。「都市の崩壊」を怪獣映画の文脈に落>>続きを読む

BROTHER(2000年製作の映画)

3.0

どうにもこの題材自体が北野武のカラーと合わなかったのではなかろうか。寺島進が退場するまではカリカチュアライズがビシッと決まった娯楽作として楽しめるが、それ以降は予定調和に堕ちてしまってる。もっとアグレ>>続きを読む

ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.6

底抜け超大作の権化として良くも悪くも一世を風靡したカロルコ社のサービス精神と、作家や職人たちの細部にまで行き届いた熱意が見事に噛み合った奇跡のような映画である。このような幸福な結婚は10年に一度あるか>>続きを読む

ターミネーター3(2003年製作の映画)

1.5

この映画を駄作たらしめた欠点はただ一つ。ケイト・ブリュースターがターミネーターと打ち解けるまでの時間があまりに長すぎること。今作においてジョン・コナーが主役らしい活躍をなかなか見せられない以上、もっと>>続きを読む

監督・ばんざい!(2007年製作の映画)

1.5

バイオレンス映画から離れたい監督が色々なジャンルの映画制作に挑戦するもことごとく失敗。そんな中人類には滅亡の危機が迫っていた…。

とある映画ブログで「エッセイストが書くネタがないのをネタにしているの
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HANA-BI(1997年製作の映画)

3.9

フラットに見れば粗暴な男のはかない情愛の物語として楽しめる良作だが、意地悪く見ると夫婦愛のドラマがバイオレンスから妙に浮き出てしまっているように感じられる。それは妻があまりにイノセントな存在として描か>>続きを読む

みんな〜やってるか!(1994年製作の映画)

2.0

導入部分やダンカンのくっだらない妄想は好みだが、たけしが昔の自分のコント番組で披露したネタをただ垂れ流してるだけなのでやはりまともに評価する気にはならない。

ギャグがつまらないのは仕方ない(面白かっ
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

3.1

相変わらず話のテンポは良いが、作品として作る意義を感じ取るのが難しい困った立ち位置の映画になってしまった。

神山繁の退場と西田敏行・塩見三省の衰え、松重豊をはじめとする警察サイドのとってつけたような
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ドラゴンヘッド(2003年製作の映画)

1.5

竜頭蛇尾の最たるものと言われた原作をほぼ忠実に再現している以上こうなることはわかりきっていたが、主人公が決意を固めるために必要不可欠なプロットが存在しないのは辛い。この流れであればノブオとの決別や根津>>続きを読む

どろろ(2007年製作の映画)

1.9

映画は小説の挿絵ではなく、限られた時間の中で映像と物語を語ることを要求されるメディアである。だからこそ漫画や小説を原作とした映画では当然映画ならではの形式に沿ったアレンジが求められるわけだが、仮にその>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

(8月21日追記)
原作であるTVドラマ版は名作であり、その名作を基盤として守れば自ずとウェルメイドな青春映画になったはずである。だが異様にトリッキーなアレンジを加えたせいで大衆映画として歪になった感
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

3.0

原作の有名シーンを継ぎ接ぎしたお陰で全編見せ場とも言うべき贅沢な映画が出来上がったが、じゃ優れた映画かというとそうではないし、むしろいかに原作が綿密に作られたものであったかということを再認識させられる>>続きを読む

スパイダーマン3(2007年製作の映画)

2.8

この映画で褒められるのはクライマックスの戦闘が派手になっていることだけ(今までは中途半端に終わっていたからね)。後はもうどうにもならない。

ピーターの人生の好転と引き替えにMJの生活が苦しくなるとい
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スパイダーマン2(2004年製作の映画)

3.6

中盤のダレっぷりは糾弾されてもおかしくないレベルだが、その一番の理由はドクター・オクトパスが映画全体の流れからして存在意義に乏しい点にある。今回の映画の肝はピーターの(スパイダーマンを辞めるべきかどう>>続きを読む

スパイダーマン(2002年製作の映画)

4.2

ヒーロー映画のメルクマール。キャスティング・演出・舞台設定、どれをとっても申し分なし(なお脚本ry)。物語の中にヒーローの孤独と責任を凝縮し、なおかつ外連味溢れる目で追えるアクション(これ重要)と最先>>続きを読む

アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

3.9

結論から言うとサム・ライミ版を越えていない。その理由の一つにA.ガーフィールドが挙げられる。まるでルーザーっぽくない。どもり演技をいくらやってもスタイルの小綺麗さが説得力を奪ってしまう。トビー・マグワ>>続きを読む

スパイダーマン:ホームカミング(2017年製作の映画)

3.0

まずトム・ホランドが素晴らしい。演出・脚本の力もあろうが、感情表現が上手い。『アメイジング・スパイダーマン』の一番の問題はA.ガーフィールドがまるでルーザーっぽくないことだが、少なくともトビー・マグワ>>続きを読む

キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)

3.9

第1作からゴジラを追っていると、前半のサラリーマン喜劇に思わずほっこりしてしまう。今作はゴジラの存在を日本の経済復興と対極にある破壊と災害の象徴として完成させただけでなく、怪獣プロレスバトルという新た>>続きを読む

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章(2017年製作の映画)

3.5

そもそもの話第4部をいきなり映像化すること自体が無謀で、例えば原作を知らないと「アンジェロが襲撃する相手の近くに必ずいる理由」がわかりづらいし、外国人の孫が日本人である理由もピントこない。加えてスタン>>続きを読む

哀しき獣(2010年製作の映画)

1.0

バカじゃねぇか、この映画。褒める要素欠片もなし。これ観るなら『デビルマン』の小錦観てツッコミ入れた方が遙かに人生にとって有意義だろう。

チェイサー(2008年製作の映画)

2.9

物語が動いてからのモタモタ感がすべてを台無しにしている。劇伴が『殺人の追憶』に酷似しているのはいくら何でもアカンだろうよ。

ロボコップ2(1990年製作の映画)

3.3

ロボコップの魅力は一言で言ってテンポがよく「笑える」ことだと思うので、それらの要素が過度に希薄になった今作は前作に比べて辛い。ロボコップの人間との関係やオムニ社の本質はかなり掘り下げられており、そこら>>続きを読む

ロボコップ(1987年製作の映画)

4.2

ロボコップと他の警官との関係がほとんど描かれていないので、作品の核となる部分の語りが今ひとつ弱いのも確かだが、それでもなおこの映画がSFアクション映画の金字塔であることに異論を挟むものなどおるまい。>>続きを読む

ハルク(2003年製作の映画)

1.0

アメコミ版『ジキル博士とハイド氏』とも言うべき題材であるからして、憎々しい敵のいぢめっぷりや凶暴なヒーローの爽快な暴れっぷりを堪能できるかと思いきや、やってることは「マザコン兄ちゃんが終始ヒィヒィ言っ>>続きを読む

CASSHERN(2004年製作の映画)

1.0

やる気も熱意もすごく伝わってくる。でも肝心のブツはハッキリ言って『デビルマン』よりも酷い。同年の『ハウルの動く城』と並ぶ独りよがりで薄っぺらい駄目反戦映画。これと『ハウル』の混沌ぶりを見てると『デビル>>続きを読む

銀魂(2017年製作の映画)

3.0

おそらくそのままの形でのテレビ放映はあり得ないであろうと言うぐらいに破滅的なパロディギャグを惜しげもなく投入したその根性は買う。世間的には宮崎アニメネタが筆頭としてあげられるだろうが、個人的には藤子不>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

1.0

同じく閉ざされた村での怪奇事件を描いた堤幸彦の『トリック 劇場版』は実は良く出来た映画だったと確信してしまうほどの駄作。國村隼以外に特出するべき役者がいない。韓国映画のレベルの低下を思い知らされる。