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ハイテンションのhasseのネタバレレビュー・内容・結末

ハイテンション(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

演出4
演技4
脚本4
撮影4
音楽5
技術4
好み4
インスピレーション3

狂ったオッサン殺人鬼による女子学生とその家族の虐殺ホラー…かと思いきや、殺人鬼は主人公マリーの別人格だったというオチ。マリーは同性の友人アレックスに恋している。マリーはレズビアンであることを自認しているがカミングアウトしていない。会話の内容から、アレックスからもストレートだと思われている。
マリーの二重人格のうち、殺人鬼人格はアレックスを犯したいという欲動の塊イドで、女子学生人格は、殺人鬼=欲動を滅ぼし、アレックスの前でいい格好したい、アレックスに認めてもらいたいと願うヒロイックなエゴと言える。
この映画は、オッサン殺人鬼が暴れ回っているように見せかけて、二つの人格のマリーのせめぎあいを描いた作品である。最後は女子学生マリーが殺人鬼マリーを制し、アレックスを「助け出す」のだが、当然ながらマリーは受け入れられることなく、胸を刺され、精神病院送りとなる。

このどんでん返しは非常に好きで、作品を唯一無二のものにしていると思う一方、各シーンを振り替えってみると、結構矛盾が多く(こじつければ理解できないこともない)、「あのシーンはこういうことだったのか!」とバチッとハマる快感は得難いのが残念なところ。
ジャンル的にはスプラッターホラーなので、そこまで求めるのも酷か。

スプラッターの手数は少ないながら一回ごとのグロさはヘビー。血の色味が黒々としてリアル。

音楽いいな。Sarà Perché Ti Amoとか、MuseのNew bornとか。恥ずかしながらMuseって初めて聞いた気がする。トム・ヨークに声めちゃくちゃ似てる。
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