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メタリカ:真実の瞬間のQMのレビュー・感想・評価

メタリカ:真実の瞬間(2004年製作の映画)
3.5
最近十数年、というかほぼ二十年ぶりに(自分のなかで)メタルの波が来ていてあれこれ聴き直したり過去に苦手意識のあった古いバンドなんかを聴いてみたりして楽しい。で、このドキュメンタリーは以前見たビートルズの解散直前のやたら長いドキュメンタリーを想起させる。同じように成功したバンド内での対立・葛藤をずーーーーっと見せられるのだけど、バンドはナマモノで不仲で解散してくのが当たり前みたいに思われるなか、メタリカのこれは、かっこ悪いところ弱いところも見せつつ危機を乗り越えて今も続けている事実が逆にバンドのより強化されたイメージにつながっているし、しっかりアルバムのプロモーションにつなげてるのも凄い。2023年にもなってこんなマッチョな音楽聴いてる自分どうなの?とも思ってたけど、このドキュメンタリーのなかで言ってる男性が自分の弱さを認める感じ、セラピー、意見が合わない人とも同じテーブルに座ってとにかく話す感じ、結構今っぽいような要素もあちこちにあって、先進的な価値観の人たちなんだなーとも。結局バンドって相性とか価値観とかの問題にしてアーティスト達本人に解決を任せるケースが多いように思うけど、メタリカの場合は周りが結構介入してる。このドル箱を存続させるにはどうするかから逆算して人もお金も使って解決する感じがとてもアメリカらしい。あのラジオ局との交渉で同じ「敵」を持ったところがきっかけに見えた。そこからの悪ふざけ・言葉遊びが新しい制作につながってく感じ、昔はあんなふうに曲作りしてたんだろうなーと。ビートルズのそれに比べてJames vs Larsはもっとダイレクトで、時々ティーンのケンカみたいなのもあって(ムステインとばかり仲良くしてて孤独だった…とか音楽以外のところで結構こじらせてる)Kirkがあちゃーみたいに頭を抱えるシーンが何度も出てくる笑 映像のなかでも言ってたけど、これ後で録画みて自分の振る舞いを客観的に見て反省できた部分もあったんだろうな。いやーーそれにしてもよく編集したよな。この中ではロバートのオーディションシーンからの採用が唯一感動した。あの最初からタダ者でない感じ。メタリカはもう取っ組み合いでも何でもしながらずっと続けてくれ。
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