ミシンそば

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのミシンそばのレビュー・感想・評価

3.9
うる星やつらはほとんど知らんのです(基本の設定は流石に知ってたが、フリーレンがミミックに喰われた時の元ネタが本作とは知らなんだ)。
世代ではないし、最近新たにやってたアニメの方もスルーしていたので。
昭和にやってた旧アニメ版も再放送で数話観た…これもかなり昔か。そんな程度。
当然のようにこの映画の前作も観てない。
だが、今回はそれがプラスに作用した。
前半から中盤にかけて、異常なまでによく練られた完成度の高い脚本の映画、として純粋な気持ちで観れた。

言ってみれば、押井守の後発作品の雛形でもあり、“ループもの”の(日本のアニメでは)かなり初期のものじゃなかろうか。
日常の中の異変に気づくまでの描写は恐怖に似た寒気を覚えるほどで、カルト的な人気も頷ける。
ループの真相が明かされてからは、何でもありが過ぎて若干失速するし、原作者も「押井さんのうる星やつらです」って言うくらいには作品の根幹に関わる描写を盛っちゃってたから“賛否”が湧くのも分かる。
でもこれ劇場で観てた人は観終わった後の満足感ヤバかったと思うよ。

(それにしてもがしんたれなんて罵倒使うやついたんだな。最近読んだ漫画でローマ皇帝が使ってたが)。