あぶ

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのあぶのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

文化祭前日を何度も繰り返す事を「一番楽しい時間」と友人に言われ今作を見たのですが、僕にとって文化祭前日は「一番不安な時間」だなぁと感じ取りました。
文化祭のような一つの集団での創作の際に方向性や主義主張、出来上がるまで過程や大勢の人数を介してのスケジュール調整等、苦労が多く絶えない日々で当日になってそれが報われる(可能性もあるというだけで失敗の可能性もある)のに当日がこないというのは原作のうる星やつらへのリスペクトと押井守監督自身の作家性の葛藤や苦悩にも思えた。
作家性として押井守監督がしたかったことは描写としてエッシャーやカリオストロのオマージュだったり夜のチンドン屋や風鈴のシーンなど構図として受け手に印象深く映画の記憶と、この後も語られ続ける夢と現実の境界線というテーマでそれをうる星やつらという映画の枠の中で表現しようとするならばそれはもちろん不安の続く文化祭が延々と続くような日々であってこの映画を作り出す中での許しを求めてるような気もした。
あぶ

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