監督 ラース・フォン・トリアー
ブライス・ダラス・ハワード
イザック・ド・バンコレ
ダニー・グローヴァー
前作「ドックヴィル」で、町を壊滅させた主人公グレースが流浪の途中に訪れた町「マンダレイ」で出会った奴隷達に自由を与えようとするも、予想しなかった事件が発生していく様を描く、トリアー監督によるアメリカ3部作の第2作。
支配される事で生活を保障されていた奴隷達が、自由を手にした事で、隠されていた本性が明かされていく。
前作同様、舞台のようなセットで繰り広げられる、人間の身勝手なエゴと押しつけ、そして欲望が剥き出しになっていく作品。
手を差し伸べたはずなのに、最後は追い詰められていくグレースの慄く表情が印象的だった。
前作に比べれば評価は低いようだが、個人的にはB・ダラス・ハワードの可憐に見えて、その実一番のエゴイストで愚かなグレースはなかなか見応えがあったと思います。
見た後に重く虚しい気持ちになりながら、主人公グレースの辿り着く先を見たくて、次作を待ちわびた一本。
しかしながら、興行的に失敗した事やトリアー監督の拘りが酷すぎて、第3作は無期限延期となったらしい、非常に残念。
個人的にはエマ・ストーンやメラニー・ロランなんかのグレースが見てみたいと勝手に思っています。
鑑賞日 2007年頃 DVDにて