あしからず

大殺陣 雄呂血のあしからずのレビュー・感想・評価

大殺陣 雄呂血(1966年製作の映画)
3.8
とにかくラスト20分の大殺陣がすごすぎてすごすぎて。
約200対1という意味不明な死闘ながらそれを見事やりきる謎の説得力。最初は苦笑しながら観てたのに呆気。

はしごや戸や縄が襲いくる息もつかせぬ立ち回りは、遠景からのアクションは少し緩慢だったが接近したカメラのカット割りは面白かったし、なにより復讐の鬼となり髪を振り乱してなお美しい雷蔵さまの寝剣技も無茶はあれど眼が離せない。全てが終わったあとの呆然とした八千草薫さんと気持ちがシンクロする。

照明の美しさや野山のみずみずしさ、草はらのアングルなどモノクロとそれを生かした演出が光っている。
しのさんがあまりに不憫で神のような存在だった。ラストで報われたと思うしかない。もう少し小道具としてクシ使い所なかったのかな。

突っ込みどころは複数あるけどあんな大立ち回り見せられたら何も言えない。
原点の阪東妻三郎さんの方の活弁ライブ行きそこねたのがくやしいな。またやってほしい。
あしからず

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